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雨の後の太陽に焼かれて。『After Rain』セルフライナーノーツ

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『After Rain』テーマ

眩しい太陽の光に貫かれ、身を焼かれるような人もいます。雨はそんな人にも、そして全ての生き物にも恵みを与えてくれる存在です。『After Rain』のテーマは、そんな生きることが上手くいかないような「不器用な人間」でした。

人間、誰しもが完璧であることは不可能です。特に不器用な人間はインターネットなり何なりで可視化されてきて、いつかどこかの国が通ってきた「弱者を敵視する社会」が日本で再現されてきていると感じています。
そういった人々の姿を見て、「我も愚かなり、彼も愚かなり」の精神で「あいつもバカだけど自分もバカだから、もう少し人に優しくできないかな」という思想のもと(当時はこの言葉を知らなかったので、精神性だけでしたが)制作していった作品となりました。

各楽曲解説

Tr.1はタイトル通り、それでも生きていく「意志の力」を体現したボカロインストです。同名のカードがカードゲーム『Magic the Gathering』にもありますね。
Tr.2のモチーフとなったとある創作キャラも、作者の方自身が「報われていいようなキャラではない」ほど腹黒さもありますが、そこに人間臭さを感じられるような不器用さを感じられるキャラでした。
Tr.3は「不器用な人間」の中でも、悪質な性格をしているような人たちの皮肉っぽさを象徴した曲となっています。アーティスティックさを「人生の2次創作」とでも言うような口ぶりで。
Tr.4では「不器用な人間」たちの、いびつな恋愛模様を描いてみました。登場人物はたったの2人ですが、その中でも繰り広げられるドロドロな人間模様を感じていただけたら幸いです。
Tr.5は残酷なまでに過ぎていく時間・人生を振り返り、後悔をし続けていくという救われない歌です。ひたすら後悔と残家を繰り返し、それでもずっと変われない自分に気がつく……というようなかんじでした。
Tr.6では打って変わって、そんな「不器用な人間」をあざ笑うかのような小悪魔的な女性が主役です。アダルティーな曲調と歌詞に、ちょっとだけ甘えさせてあげて手の上で人を転がすような存在ですね。
Tr.7は前曲とはまた正反対で、また恋愛に不器用な女性が主役です。なんとなく原因に気がついてはいるものの、いつまでも気持ちは満たされない自分に嫌気が差して、ついにこの曲で「不器用な人間」はポジティブな方向に動き出そうとします。ぼく自身のターニングポイントにもなった楽曲ですが、今作でも重要な位置を示す楽曲となりました。
Tr.8は歌詞から引用すると「行き交う人らのそれでも行きていく姿、真似して 不器用な僕もどうにか一歩前へ歩き始めたんだ」という曲です。くだらないことで悩んで、悩み続けて……周りからもバカにされ、頑張れと言われても動けなかった自分と同じような人がたくさんいるんだということに気がついた時、せめて今までより足掻いてみたくなった、という曲でした。アルバムのりピート再生をしていればわかりますが、Tr.1と密接にリンクしています。Tr.1が実はTr.8の前奏にも後奏にも成り得る構成となっているのです。

終わりに

きっとみんな不器用で、それでも器用なところは何かしらあるから、他人から見えたそれをマネしてどうにか一歩前へ、歩いていけるような面持ちになっていただけたら幸いです。できれば同じような人の手を、引っ張って一緒に連れて行ってあげてください。

雨の後の世界に、きれいな虹がかかりますように。

夕立P(@mofday)

  • この記事を書いた人

夕立P

2012年頃から、音楽的な素養が全く無い状態からDTMを始める。それから少ししたくらいにアナログでのイラストを描くことも始める。オリジナル楽曲『レイニーレイニー』にてP名『夕立P』をいただきました。 だいたい下手の横好きを自覚しながら、やたらめったに様々な創作分野・ジャンルを渡り歩き続けています。 いま欲しいものリストはこれです。

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